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ハーヴェスト・ムーン / ニール・ヤング

最近は、特定のミュージシャンとか、グループのアルバムを出る度に買い続ける、といった事が少なくなった。勿論、新作が出れば必ず購入している人もいる。

今思いつくところで言うと、ポール・マッカートニー、ニック・ロウ、ニール・ヤング、ロン・セクスミスなんかは、必ずニューアルバムが出れば買っている。

その中で、ニール・ヤングは小生にとって非常に大切なミュージシャンの1人であって、リアルタイムで言うと、1987年の「フリーダム」からは、ずっとアルバムが発売されると必ず聴いている。

先日、2月に入ったら発売される予定のポールの新作を聴いたのだけれど、いくら若々しいポールであっても、約30年間新作が出るたびに、ずっと聴き続けてきた小生としては、声の衰えは手に取るように分かる。
シワだって、相当増えた。70歳だもんね。
しかし、「ポールもさすがに年取ったなあ。」なんて言いながら聴いてはいけない。
自分も同じように歳を重ねているのだから。
ポールの声が「モゴモゴ」現象になってきているのと同様に、自分もそれだけ歳を取っていることを忘れてはいけない。

要するに、小生にとって重要なミュージシャンなのは、自分の人生と、そのミュージシャンが一緒に歩めて行ければ、それで良いのである。
そういう風に、一緒に歳を重ねることができる、信頼の置けるミュージシャンや、歌手が少なくなったということなのだろう、きっと。

ニール・ヤング。
小生が社会人になって、最初の年の冬に出たアルバムが「ハーヴェスト・ムーン」。
1992年の秋に発売になって、ちょうど中秋の満月の時期に発売された。
このアルバムは、1972年、つまり20年前に発表された「ハーヴェスト」へのアンサーアルバムである。
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「ハーヴェスト・ムーン」は「20年後のハーヴェスト」を歌ったものになっていて、「ハーヴェスト」の歌の中で、ニール・ヤングが心をときめかせた女性の、例えば自分が恋をしたダイナーでウェイトレスの女性か、自分と同じように歳を重ねたであろう、20年後が歌われている。
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歳を重ねることは、決して後ろ向きなことではなく、それは自然なことであって、それはそれで素晴らしい事なのだと、当時20歳だった小生はアコースティック・ギターを掻き鳴らして歌うニール・ヤングに教えられた。
それ以来、このアルバムは愛聴盤になっていて、CDのくせに、すれ切れるのでは?と思うくらい聴いているはずである。

ニール・ヤングという人は、一縄筋でいかない。
こういうアルバムを出したかと思うと、次はヘヴィなロックアルバムを出したりして、全く掴みどころがない。
しかし、ちゃんと歌の内容は、ちゃんとロックになっていて、こういう人は信用できる。

数年前に、この時のツアーを収録した、公式ブートレグ盤である、ライヴ盤「ドリーミン・ツアー92」というのが出て、それも熱狂的に聴いた。
基本的に、シンプルに10曲がまとめられているのだけれど、ニール・ヤングはライヴで曲間によく喋る。曲が終わるたびに喋る。しかし、そのMCはカットされていた。
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しかし、先日仕事帰りにフラフラしていると、その92年のつあーを完全収録した2枚組のCDが発売されていた。発売元は、ワーナーではなく、もしかしてハーフ・オフィシャルかな?とも思うのだけれど、聴いてみると非常に音も良くて、MCもちゃんと入っている。
MCの内容は、おぼろげなヒアリングで聞き取ってみると、やはり、「歳を取ること」に関してのニール・ヤングなりの思いを語っている。客層も、同じような年齢層なのだろう、非常に会場が一体になっている雰囲気が伝わってくる、非常に美しいライヴアルバムである。
ジャケットは良くないけど。
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この中で歌われる「ライク・ア・ハリケーン」はオルガン1本、ハーモニカのみで歌われていて、美しい。「ハーヴェスト・ムーン」の収録曲も殆ど披露されている。「アンノウン・レジェンド」も、タイトル曲の「ハーヴェスト・ムーン」も、そして「フロム・ハンク・トゥ・ヘンドリックス」も。
↓「アンノウン・レジェンド」
http://www.youtube.com/watch?v=RHBikURKkUM
↓「フロム・ハンク・トゥ・ヘンドリックス」
http://www.youtube.com/watch?v=tdiDV4S_8LY&feature=related
↓タイトル・ナンバー「ハーヴェスト・ムーン」
http://www.youtube.com/watch?v=qVi0UvFu8Yo&feature=related

これからも、彼のアルバムは発表されたら、必ず聴くだろう。
こういう風に信用できるミュージシャンには、一生付いていきたい。
こういうレコードは独りで、ヘッドフォンで聴きたい。
by hirowilbury | 2012-01-28 19:00 | 音楽