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前にも書いたけれど、自分の人生が、好きなミュージシャンとリアルタイムで一緒に過ごせることが嬉しい。
そして、その人の好きなレコードを、溝をすり減らしながら聴くことが小生の楽しみである。
レコードは聴くたびに溝が磨り減る。勿論磨り減るのだから、音は劣化して、ノイズだって増える。
しかし、それはそれで納得できる。自分の人生と同じ時を過ごしてきたのだから。

小生が所有しているビートルズのレコード、ジョンやポールのレコードだって、アルバムによっては、聴きすぎて盤面が白っぽくなっているものだってある。
「ア・ハード・デイズ・ナイト」のアルバムなんて、小学1年生のときの購入してすでに30年以上が経っている。ずっと聴いてきたからノイズが酷い。箇所によっては、バチバチとノイズを立てる。
しかし、それは自分が過ごした時間に比例して付いたノイズなのだから、仕方ないし、気にならない。
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CDの音は非常にクリアであって、盤面が磨り減ることはまずない。
しかし、自分の人生と一緒にノイズも増えていったレコードには愛着が沸く。
おそらく、自分が死んでも、そのCDは音が綺麗なまま、何も無かったかのように変わらずになり続けるだろう。小生の棺桶に入れてもらうのなら、CDより、レコード盤を入れてもらうようにしたい。


ある時期、毎日毎日聴いたレコードがニール・ヤングの「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」だった。
仕事が終わって、部屋に帰って来たら、まずオーディオアンプのスイッチを入れる。
冷蔵庫からビールとか取り出して、お酒のセットを準備する。
ジャケットからレコードを取り出し、そして、ターンテーブルにレコードを置く。
それから1回レコードに針を落としたら、A面1曲目の「テル・ミー・ホワイ」からB面ラストの「クリップルド・クリーク・フェリー」まで、延々と途中ビールからお酒に飲み物を代えて飲みながら、朝まで聴き狂ったことが何度もあった。
そして、歌詞カードを見ながら、そしてジャケットなんかをを見つめながら、延々と聴く。
すると、日中に溜まっていた毒が外に放出される。
明日もなんとか頑張ろうか、ま、なんとかなるか、なんて思いながら聴いていると、外が明るくなってきて、朝が来る。それ見ろ、ズームイン朝が始まってもうた、なんて言いながら仕事の準備をする。そんな日々が何度かあった。

「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」はニール・ヤングにとって、3枚目のソロアルバムで、1970年に発表されている。1枚目が自分の名前をタイトルにした「ニール・ヤング」で2枚目が「エヴリバディー・ノウズ・ディス・イズ・ノウホエア」。
この「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」のアナログ盤は小生が中学2年生のときに、大阪に独り旅に行ったときに(いや、正式にはこっそり家出した時、かな?)、輸入盤レコード屋で購入したものである。購入したのは1987年なので、盤自体すでに25年が経つ。
就職しても、実家から遥々離れた1人暮らしの部屋へ持ち込んだのだから、よほど愛着があるアルバムなのである。

ニール・ヤングという人は、自分がミュージシャンとして、ロックを演奏しながら歳を取ること、という事に真剣に向き合ってきた人である。同年代のロックを熱狂的に聴き続けてきたファンへ、そして、常に年老いる事を歌ってきた。それは、この人の永遠のテーマであるように思える。

老婆とニール・ヤングが道で顔も合わさずにすれ違って行くこのアルバムのジャケットもそれを物語っているのだろう。
つまり、歳を重ねることと顔を向き合わずに生きていくことは困難であって、不可能なのだ、というメッセージにも取れる。当時のニールヤングは20代後半である。今は老婆と顔や目は合わさず、何もなかったかのようにすれ違っているけれど、いずれ自分も「老い」と向き合う時が来る、そんな事を考えながら撮影されたジャケットのようにも思える。

今でもよくターンテーブルに載る1枚である。
これからも、ニール・ヤングと一緒に歳を重ねていこう。


↓「TELL ME WHY」
http://www.youtube.com/watch?v=dgxI3PT9IN8&feature=related
↓「AFTER THE GOLD RUSH」
http://www.youtube.com/watch?v=1e3m_T-NMOs&feature=related
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by hirowilbury | 2012-02-06 02:00 | 音楽