2012年 02月 25日 ( 1 )

最近、仕事で帰宅するのが遅い。
帰ってみたら日付が変わってしまっている事もあって、ま、仕事だから仕方ないのだけれど。
だから帰って来るとすぐ寝るのかと言うとそうではなくて、必ずレコードを1枚聴く様にしている。
こうやってバランスを取らないと、中々厳しいのねサラリーマンって。。

その時に聴くのは、ビートルズの時もあれば、ポールの日もあるし、ジョンの日もある。
かと思えばRCのアルバムを聴いたり、ニール・ヤング、そしてニック・ロウのアルバム、と言うこともある。しかし、基本的にこういう人たちのアルバムを聴くと、次々と聴き始めてしまうからバツが悪い。
時たま新しいミュージシャンのアルバムを聴くこともあるのだけれど。

昔は、こうやって朝を迎えてしまったことが度々あった。
最近では、キリの良いところで寝るようにはしているけれど、最近、これがまた朝起きれない。
幸い、小生の会社にはフレックス制度と言うのがあって、それを使うようにしている。
9時に出社なのだけれど、9時30分とか30分だけね。その朝の30分はとてつもなく大きい。

バッド・フィンガーのアルバムを聴き始めると、今でも夜明け近くになってしまう。
これは昔から変わらないのであって、なるべく仕事が終わって帰宅してから彼らの音を聴くのは避けようとするのだけれど、一度聴いてしまうと、取替えひっかえ、次々彼らのレコードがターンテーブルに乗ってしまって、ドツボにはまる。
なので、彼らの音を聴くのは、ちゃんとお酒のセットを準備してからにするようにしている。

バッド・フィンガーというグループは、ビートルズが設立したアップル・レコードから1969年にデビューしたグループであって、アップル・レコードから4枚、ワーナーに移籍してから2枚。他にもアルバムを出しているけれど、小生が認めている「バッド・フィンガー」はこのピート・ハム、トム・エヴァンスが在籍した6枚である。
彼らは、悲劇のグループとして知られていて、歴史を知れば知るほど涙が出る。
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元々アイヴィーズ、というグループ名だったのだけれど、ポール・マッカートニーが改名してバッド・フィンガーになったという話である。(元々ビートルズの「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」の仮名が”バッド・フィンガー・ブギ”という曲名だったのでそこから取られた、という説もある)

この辺り話せば長くなってしまうのだけれど、中心メンバーのピート・ハムが1975年首吊り自殺してしまって、更に1983年にはトム・エバンスも自殺してしまう、という信じられないような悲劇の最後を迎えている。
「NO DICE」や「STRAIGHT UP」なんかのヒットアルバムを出して、「NO MATTER WHAT」や「COME AND GET IT」「DAY AFTER DAY」、「BABY BLUE」なんかの名曲をシングル・ヒットさせたグループのメンバーが自殺、しかも2人も、なんてグループは他に知らない。
(ちなみに「NO MATTER WHAT」は小生のバンドでもコピーしました)

↓「NO MATTER WHAT」
http://www.youtube.com/watch?v=Xoke1wUwEXY&feature=related
↓「DAY AFTER DAY」
http://www.youtube.com/watch?v=u6N3hPY9gLs&feature=related
↓「COME AND GET IT」
http://www.youtube.com/watch?v=Bk57K4OGrAg
↓ポールが彼らに送ったデモ・テープ。そのまんまである。演奏・歌、全てポール1人。
 「ABBEY ROAD」制作中にポール1人で録音。
http://www.youtube.com/watch?v=m1xss8MlwCk&feature=related

元々、ビートルズのツアー・ローディだったマル・エバンスに見出されてビートルズにデモ・テープが手渡り晴れて「アイヴィーズ」としてデビュー。
ここまでは、良かった。
しかし、アイヴィーズとして「メイビ・-トゥモロー」でデビューしたけどヒットしない。なので、アイヴィーズとしてのアルバムも制作・完成しながらもアメリカ、イギリスでは発売が見送られた。(日本ではちゃんと出ました)。
↓「MAYBE TOMORROW」THE IVEYS
http://www.youtube.com/watch?v=5cuAs4O119s&feature=related
アップルレコードでの酷い扱いを聞いて、救いの手を差し伸べたのが我がポール・マッカートニーであって、彼らに「カム・アンド・ゲット・イット」という曲をプレゼント。それを機会にバッド・フィンガーとバンド名を改める。これが映画「マジック・クリスチャン」の主題歌(リンゴも出てます)に抜擢されて大ヒット。アルバムもアップルからは色々注文を付けられはしたけれど、「NO DICE」、「STRAIGHT UP」とジョージ・ハリスンや、トッド・ラングレンのバックアップなんかもあってヒットは飛ばす。
あのニルソン、そしてマライア・キャリーの代表曲として知られる「ウィズ・アウト・ユー」は彼らの曲なのね。オリジナルはピート・ハムとトム・エヴァンスの合作。


しかし、ヒットを飛ばせどお金、印税は彼らに入ってこない。ヒットを出しても、彼らの生活は苦しいままだったらしい。
マネージャーにだまされているのでは、と感じたメンバーはマネージャーを訴えようとする。しかし、リーダーのピート・ハムは「もう少し彼を信用してみよう」、とメンバーを説得する。
しかし、案の定、彼らのマネージャーは、彼らからお金を絞れるだけ絞っていて、お金をもって逃げてしまう。それを知ったピートは首吊り自殺してしまう。ピート27歳の時である。
こんな悲劇があってもいいのかと思うのだけれど。。。

アルバムもあれだけの名曲、名作を作ってきたグループだとは思えないくらい、酷い扱いを受けてきた。「ASS」というアルバムのジャケットも、ロバがニンジンを見つめて振り返っている写真である。あれは、アップルの関係者が「ニンジンに釣られてワーナーへ移籍するバッド・フィンガーに向けて作られたジャケット」だという。そんな酷い話があるだろうか。

ワーナーに移籍して心機一転、「涙の旅路」「素敵な君」という2枚の名作を出すけれど、結局そのあとピートの悲劇が起きてしまった。

その後、バッド・フィンガーはトム・エヴァンスとジョーイ・モーランドを中心に継続されるけれど、今度は色々と精神的に悩んでいたトム・エヴァンスが自殺してしまう。
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27歳で亡くなったロック・ミュージシャンは多い。ピート・ハム、ジミ・ヘンドリックス、ジム・モリソン、ジャニス・ジョプリン、カート・コバーン。その他にも何人かいる。
自分はすでに40歳に近い。もうすぐジョン・レノンの享年である。
そして、27歳の彼らが残した作品を聞いていると、今でも自分のほうが年下に感じてしまうのが不思議である。
おそらく、実際自分の年齢が彼らの年齢を追い越しても、いつまでも彼らは小生より年上におもえるのだろうな、きっと。

そんなことを思いながら彼らのアルバムを聴いていると、また夜明けが近づいてくるのだな、これが。。
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70年代の英国には、こういう甘酸っぱい音を聞かせるグループがたくさんいたけれど、最近はこういう良質なポップなロックン・ロールを聞かせるグループが減って寂しいと思う今日このごろ。
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by hirowilbury | 2012-02-25 22:33 | 音楽