小生が住んでいた故郷には、街のレコード屋さんはあったけれどそこには当然輸入盤なんて置いてなくて、1年に1回程度、街のデパートの催し物会場にやってくる大阪のレコード屋が中古の輸入盤を販売していて1週間位するとまた大阪へ帰っていく、という程度だった。

今と違って、輸入盤は日本盤よりも高くて、とても小学生の貯めたお小遣いでは買えなかった。
ビートルズの日本盤では見たことのないジャケットのレコードを見つけても、眺めるだけで買えなかった。

↓通常のビートルズ「ア・ハード・デイズ・ナイト」
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催し物会場に来ている期間は限られているので、1週間もすると大阪に帰ってしまう。
そこに通っては、毎日ジャケットを眺めていた。
明日には売れてしまってもう無いかもしれない。
欲しいけれど、しかし、高くて買えない。
仕方なく、ジャケットを頭に焼け付けて帰っていく。
そんな毎日が続いた事があった。

「ア・ハード・デイズ・ナイト」のアメリカ盤は、今発売されている青色のジャケットに4人の連写写真がレイアウトされているものと違って、ジャケットは赤色で連写の写真から4人の写真を1枚ずつレイアウトしたものだった。
収録曲も全く違って、いつか手に入れようと夢見ていた一枚。
なので、後になって入手したときは、涙が出るほど嬉しかった。
これは高校生になって大阪に出向いて新品で入手したのだけれど、今でも日本では発売された事はないし、勿論公式にCDにもなっていない。
↓米国盤「ア・ハード・デイズ・ナイト」。80年代の再発盤かな?
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今普通に発売されている英国盤仕様はビートルズのオリジナルが13曲入っているけれど、アメリカ盤は映画の挿入歌7曲にプラスして、映画で使用されたジョージ・マーティン・オーケストラによるBGMも収録されていた。
しかも「アイル・クライ・インステッド」は通常とは違うロング・ヴァージョン、「アンド・アイ・ラブ・ハー」はポールの歌がシングル・トラックになっていて非常にかっこよくて、当時入手したときは毎日聴いていた。
↓米国盤のジャケ裏面。ビートルズの曲の合間にインストが挟み込まれている。
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映画「ア・ハード・デイズ・ナイト」はおそらく、今までに何百回と見ている。
数えたことは無いけれど、字幕のない映像を見ても、4人の会話とか何を喋っているのか分るくらい。
そして前にも書いたことがあるけれど、ビートルズの映画の中では一番好きな映画である。
当時のビートルズに実際に起こっていたことを映画化したものであって、本当に毎日かれらはこういう毎日を過ごしていたのである。
そして、よく知られているように、この映画はモノクロである。
ビートルズにはモノクロが良く似合う。次の映画「ヘルプ!」はカラーで、非常に面白い映画ではあるけれど、最初に見たこのモノクロのイメージが小生のビートルズのイメージであって、それは今でも変わらない。
↓映画「ア・ハード・デイズ・ナイト」DVD。昨年買いなおし。なお、邦題の「ビートルズがやってくる ヤアヤアヤア」と名づけたのはあの水野晴雄である。
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なんといっても、4人が走りまわっている。
「♪キャント・バイ・ミー・ラヴ」が流れて、空き地を4人が走り回っている場面が好きだ。
これは後にモンキーズなんかにも影響を与えて、更にその後のプロモーションビデオの走りにもなったものである。
最初は4人で走り回っているのに、最後空き地の管理人に「人の空き地に勝手に入りやがって!」と注意されて、渋々引き上げていくメンバーが3人しかいないのは、この場面の撮影のときだけ、ジョンがいなかったから。
こういうビートルズ映画でのトリビア、撮影秘話ならいくらでも話することが出来る。

↓「CAN'T BUY ME LOVE」
http://www.youtube.com/watch?v=Lkk-tspdZl8&feature=relmfu

4人の演奏する場面が好きだ。
向って右がジョンで、少し蟹股気味で、ギターをかき鳴らしてシャウトする。
向って左側でポールとジョージがコーラスをつける。
間からはしっかりドラマーのリンゴの姿も見える。
そしてポールは左利きだから、ジョージと、そしてジョンとのギターネックのコントラストが絶妙で美しい。
この演奏場面のエキストラの観客の中に、幼い頃のフィル・コリンズがいたことは有名な話である。

↓「TELL ME WHY~IF I FELL~I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」
http://www.youtube.com/watch?v=d-H7Ug8KNVk&feature=relmfu

映画の中で、リンゴが1人で街を歩き回る場面が好きだ。
他の3人としっくり行かなくて、少し拗ねて。
そしてリンゴが、見知らぬ少年と出会って、川に石を投げている場面が好きだ。
スターになってしまった彼は、普通の20代の青春を過ごしたかったのだろう、きっと。
映画の中の演出ではあるけれど、ここの場面は彼らの本心が描かれている気がする。
その場面で流れるのが「RINGO THEME」(ジョージ・マーティン・オーケストラによる「♪THIS BOY」のインストルメンタル)で、この曲が大好きなのである。

↓BGM「THIS BOY」
http://www.youtube.com/watch?v=GIvEc4yhdpM

こういう風に、この映画を見たのは親戚の義兄の家で、小学4年のときだったけれど、終わった後もエンディングが流れた終わったテレビ画面をずっと見つめていた。
もう、自分には今まで集めたプロ野球のカードも、虫かごも、虫取りの網もいらない、と思った。

今ではこのレコードだけで何枚あるだろう。
レコード棚を探してみると、ロシア盤とか、親父の形見である日本オリジナルジャケットのこのアルバムもあった。米国盤以外は、曲目も同じ。あ、CDも3枚ありました(笑)
↓旧ロシア盤「ア・ハード・デイズ・ナイト」ロシア文字でジャケットにビートルズのの文字。
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↓1964年当時、日本盤はこのジャケットでした。これは70年代の再発盤で76年まで日本はこれ。いわゆる親父の形見。これを繰り返し繰り返し聴いてました。
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↓集めてみるとこれだけありました(苦笑)。
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と、最初の出だしのレコード屋さんの話で、エルビス・コステロの記事にしようとしたのだけれど、話が見事にビートルズになってしまった(笑)。
話の流れとしては、「結局、その大阪からやって来ていた出張輸入レコード屋さんで初めて購入した輸入盤は中学1年の時、エルビス・コステロの1st「MY AIM IS TRUE」だった」という話に持って行って、昨日届いたコステロの最新ライヴアルバムの感想を書きたかったのだけれど。。。
当時、ビートルズのレコードを買えないのに眺めていた想いでの方が勝っちゃったみたい(笑)。

折角なので少しそれに触れておくと、今回のコステロのライヴアルバムは、ライヴの時ステージにルーレットを置き都度ルーレットを回して、矢が刺さった所の曲を演奏する、という変わったライヴステージでのアルバム。なのでどの曲を演奏することになるのか、運任せである。
中にはニック・ロウの「ハート・オブ・シティ」なんか演奏していて、聴いていて嬉しくなってしまう。
ストーンズの「アウト・オブ・タイム」も嬉しい。
↓コステロの最新ライヴアルバム。これをレビューするつもりでした(苦笑)。
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90年代のコステロは後半から少しジャズやクラシックなんかに走って小生なんぞ少し不満だったのだけれど、2000年代になってまた少し昔のコステロ・サウンドに戻ってきている。
08年のアルバム「momofuku」なんて凄く良かったし。
このライヴアルバムも、何度か繰り返し聞いたけれど、非常にコステロも力が入っていて、でもどこか達観したようなところがあって、非常に素晴らしいものだった。

コステロにはまた、こういう風にギターをかき鳴らして、自身のバンドと共に走っていって欲しい。
↓初期のコステロ。一番左が小生人生初の輸入盤「MY AIM IS TRUE」。ジャケがかっくいい。ってか英国盤はジャケにコーティングされているものが多く綺麗。真ん中の「GET HAPPY!」のみ日本盤。
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少し文章がバラバラになっちゃいました(苦笑)。
うー、不覚(泣)。
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by hirowilbury | 2012-04-11 22:00 | 音楽