昔からカヴァーアルバムって言うのが好きで、有名な曲を有名な歌手が歌ったりするとつい買ってしまったりする。黄金のヒット曲を、プロで百戦錬磨の歌手が歌うのだから、悪いわけがないのであって、しかも、なんか、すごく偉い感じがするから好きなのである。
「歌手〇〇、ゴールデンヒッツを歌う!」みたいな感じで、強そうな感じがするじゃないか。
小生は「グレイテスト・ヒッツ」なんてタイトルのアルバムを見つけてしまうと、思わず感嘆してやぱり聴きたくなってしまう。恐らくシングル盤を聴いて育った世代だからだろう、きっと。

友人にそういう話をしたことがあって、それを覚えてくれていたのだろう、昔CDをプレゼントされたことがある。
なんとそれは由紀さおりが歌う童謡歌集だったのだけれどね(笑)。

最近は昔の曲をアルバムでフルカヴァーするアーティストが多くなったような気がする。
しかも、「ヒット曲」中心ではなくて、「隠れた名曲」というのをカヴァーするのだな、最近これが。ロッド・スチュワートはソング・ブックと題して何枚もカヴァー曲ばかり集めて歌ったアルバムを出したりもしている。ポール・マッカートニーでさえヴォーカル・ジャズをカヴァーしたアルバムを出したりした。
あ、トータス松本がサム・クックのアルバム「ツイスティン・ナイト・ザ・ウェイ」を丸々カヴァーしたアルバムってのもあったな、最近。

つまり、もう音楽、曲を作るにもネタが切れてしまったのだろうか、と思ったりしてしまう。
名曲ばかりを歌っているのだから、アルバムの出来もそれぞれが素晴らしいのだけれど。
しかし、ロッドはあれでいいと思うのだけれど、ポール・マッカートニーにはちゃんとオリジナルで埋め尽くしたアルバムを出していただきたい。今回あれで一休みしたのだから、世界をあっと言わせるような名作を、あの「ワンダー・ラスト」や「バンド・オン・ザ・ラン」のような、聴いているこちらが笛や太鼓をもって走り回りたくなるような名作をもう一回作っていただきたい。

ルーマーのセカンド・アルバム「BOYS DON'T CRY」が発売された。

↓古きよき時代を思わせるジャケットも良い。
a0189732_19364594.jpg

彼女はパキスタン生まれながらイギリスでデビューした、遅咲きのシンガー・ソングライターである。聴いているとカレン・カーペンターみたいな歌声に、うっとりしてしまう。
リタ・クーリッジみたいに聞こえる時もあって、非常に美しい。

1stアルバム「Seasons of My Soul」 は2010年の発売なので、2年ぶりの新作ということになる。
基本、オリジナルで固めた前作と違って、今回は全てカヴァー曲である。
前にも書いたことがあるのだけれど、よく出来たデビューアルバムというのは、アマチュア時代のストックされた曲なんかがあったり、初々しいそのアーティストの生の感覚があるので、ダイアモンドの原石みたいにピカピカに輝いている。
だからファンは支持する。大いに支持する。
しかし、セカンドになると世間の期待も大きくなってしまって、自身のプレッシャーもあるのだろう、ファーストに比べてこじんまりしたものになってしまうことが多い。
結局その後泣かず飛ばず、というミュージシャンを幾つも見てきた。

今回、ルーマーのアルバムは全てカヴァー曲である。
一度自分の足元を見直して、もう一度自分の好きな歌を歌う、という原点に戻ったのだろう。
ジミー・ウェッブ、トッド・ラングレン、ポール・ウィルアムズ、ホール&オーツなんかもある。
ギルバート・オサリバンもやってたりする。
更に、ニール・ヤングもあったりする。ニール・ヤングのカヴァー「ア・マン・ニーズ・ア・メイド」は美しい。

↓オリジナルアーティストのアルバムジャケをインナーに掲載。
a0189732_19375752.jpg

そのあたり、10代や20代前半でデビューしたアーティストと違って、アマチュアを10年経験して、31歳でデビューした下積み時代の経験が生きたのだろう。自分の足元をしっかり見ることが出来るアーティストなのだろう、きっと。
バート・バカラックが絶賛した歌声も相変わらず健在であって、聴いていて惚れ惚れしてしまう。
全てが男性歌手のカヴァーというのも、彼女自身の歌唱力の自身の表れのようにも思える。

↓レオン・ラッセル、ニール・ヤングのカヴァーも美しい
a0189732_19394076.jpg


↓アルバムからホール&オーツのカヴァーを(PCのみ試聴可?)
http://www.youtube.com/watch?v=ddYZ33vN4h4&feature=related

↓1stシングル「P.F.SLOAN」ジミーウェッブのカヴァーですね(PCのみ試聴可)
http://www.youtube.com/watch?v=ZZApRNG5P-w

非常に完成度が高いアルバムであるけれど、彼女にとっては次作へのプロセスに過ぎない。
恐らく、近いうちに彼女が歴史的名盤を生み出すのもそう遠い先ではないな、きっと。
このアルバム、内容は小生が保証する。
[PR]
by hirowilbury | 2012-06-11 20:10 | 音楽