2012年 08月 29日 ( 1 )

オリンピックが終わったけれど、これだけ観なかったオリンピックも初めてである。
興味があったのは開会式にポール・マッカートニーが出たのと、閉会式にザ・フー、そしてキンクスのレイ・デイヴィスが出演したことくらいだろうか。

日本が出場を辞退したWBCもそうなのだけれど、どうもオリンピック協会のエゴが強すぎて、何をするにもお金の匂いがするものになってしまっていて、のめり込めないのである。
選手は一生懸命なのだけれど、うむ、非国民と言われても仕方ない(苦笑)。

キンクスのベストアルバムが発売された。
1964年にデビューして以来、彼らに何枚ベストアルバムが出ているのか、数えた事はないのだけれど、恐らくかなりの枚数が出ていると思われる。

The Best Of The Kinks And Ray Davies」2枚組ジャケット
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知っている限りでは、ベストアルバムというくらいだから、単にヒット曲を編集したものが多いと思われるのだけれど、今回出たものは少し主旨が異なっているように思える。

恐らく今年開催されたロンドン・オリンピックを記念してのベストアルバムということなのだろう。
レイ・デイヴィスがよく許可したなと思うのだけれど、ジャケット、内容、選曲からして「英国=ロンドン」を意識したものなのだろう、きっと。

ジャケットの色合いを見たときは、ビートルズの赤盤、青盤を意識したものなのかな、と思ったのだけれど、よく考えてみると、英国の国旗、ユニオン・ジャックも色合いは赤と青なのである、今更だけれど。

ジャケは赤、裏ジャケは青が基調
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ということは、ビートルズの赤盤・青盤もユニオン・ジャックを意識したものだったのかな。

↓BEATLES解散後1973年発売、通称赤盤「1962-1966」と通称青盤「1967-1970」
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それを裏付けるようになんと1曲目が「Waterloo Sunset」である。キンクスの必殺曲の一つ。
↓「Waterloo Sunset」1967年のヒット。これは1973年の映像より。
http://www.youtube.com/watch?v=Cyh__QQD2js&feature=related

これがいきなりオープニングかよ(笑)。

曲順一つを見ても、オリンピックの記念アルバムなのだろう、というのが分かる。
ウォータールー河は英国の名所の一つだしね。
昔実際に現地に行ったけれど、これがジョンやポール、そしてキンクスのメンバーが見つめていた河か、と思うと少しウルッときたな(苦笑)。

肝心のCDは2枚組になっている。

↓ケースに貼付のシール。
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1枚目は「KINKS CLASSICS」と題されて、「Waterloo Sunset」をオープニングにして、キンクスの往年のヒット曲、ヒットはしてなくてもキンクスファンの間では代表曲と承認されているものが並んでいる。ちゃんと、間にレイ・デイヴィスらしく、「See My Friend」もコーラル・ヴァージョンなんかを挟んでいるところが憎いのだけれど。

最後の「David Watts」はライヴ・アルバム「One For The Road」から。
このあたり、細かいこだわりなのね。

↓「One For The Road」は名作デス。今でもよく聞きます。
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2枚目が、このベストアルバムの肝になると思われる。
2枚目は、おそらくレイの意思が思いっきり組み込まれたものなのだろう、きっと。
ボーナス・ディスク扱いになっているけれど、ちゃんと「London Songs」とタイトルがつけられていて、英国にちなんだタイトルがついた曲が並んでいる。
コンセプトアルバムにこだわった、レイらしい、コンセプト・コンピレーションアルバム、ということなのだろう。

ちゃんと、オープニングは「Dedicated Follower Of Fashion」である。
もともとファッションの流行ばかりを追いかけるレイなりのシニカルな風刺で1966年の英国ヒット曲。当時サイケとか、スィンギング・ロンドンに浮かれる人々を皮肉った曲。
今回歴史のあるオリンピックを単に開催に浮かれる軽薄な風潮を皮肉って、祭りに浮かれる人々を風刺する意味のオープニングだと思われる。
このあたり、レイの千両役者ぶりがにじみ出ている。

↓「Dedicated Follower Of Fashion」1966年。
http://www.youtube.com/watch?v=xXpkt6revK0


かと思えば、次は「Come Dancing」、「一緒に来て踊ろうぜ」である。
とにかく、レイなりのオリンピックに対するメッセージなのだろう。
小馬鹿にしているかと思えば、一応歴史あるオリンピックを称えるような流れで楽曲が並んでいる。

昔からキンクスを聞いてきたけれど、こちらが構えるとあちらは一歩引く。
そしてこちらが少し油断していると、あちらが一気に攻め込んでくるようなところがあるのだ、レイ・デイヴィスという男は。
まるで宇宙人のようであって、本当に存在する人間なのか、と疑った時期もあった。
1993年の初めてライヴに行って、本人の存在を確認できたことで、疑いが晴れたくらいである(笑)。

↓一部キンクスのアルバムを引っ張り出してきました。
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英国人らしいユーモアと、皮肉っぽいところがにじみ出ている名編集盤だな、こりゃ。
本人が閉会式のセレモニーに出演した、という記念でもあるのね、きっと。
最後も「Waterloo Sunset」で締めくくっているところも憎い。
しかもコーラルヴァージョンで。

しかし、昔から「SOMETHING ELES」とか「ARE THE VILLAGE GREEN」なんかの超名作を作りながら、ザ・フーに先に「TOMMY」を発売されてしまってその「史上初のロック・オペラ」の座を越されたり、ここぞというタイミングで発売のタイミングを逸してしまったり、キンクス、いや、レイらしいと言えばレイらしいのだけれど、今回もオリンピックが終わってしばらくしてからの発売。
オリンピック開催中の発売だったら、もう少し話題になったのではないだろうか・・(苦笑)。

内容は保証します。英国ロックが好きで、シニカルなギャグがわかる人には、納得の1枚。

↓2008年に出た待望のBOXセット。
レアトラック満載。しかし、今ではデラックスエディションの音の方が・・。

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↓デラックスエディション。現在収集中(笑)
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↓各国盤ジャケレプリカCD。日本盤1stの擬似ステレオが泣かせる・・。
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↓おまけ。恐らく日本で最大のヒット曲になった「泳げたいやきくん」の原曲やね(笑)PCのみ閲覧可能?。
 1966年「SUNNY AFTERNOON」

http://www.youtube.com/watch?v=uMpkY0P_JGs&feature=related
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by hirowilbury | 2012-08-29 12:03 | 音楽