毎日の日課になっているのが、仕事帰りに一杯飲むことである。
以前は、必ず誰かに誘われたり、時には時間のある人にこちらから声をかけて、必ず複数で飲みに行っていたのだけれど、最近はそうではなくて一人で行くことが多い。

元々大勢の人と団体行動はあまり好きなほうではないので、多くても2、3人くらいで飲みに行く方が好きであって、だから、一人でも全く苦にならないのね。
気心の知れた人と2、3人で行くのが全く持ってベストだけれどね。

よく入ったことのない居酒屋とか立ち飲みには一人では入れない、知ってる人もいないから、なんていう人がいるけれど、入れば楽しいのである。
それに、店の中が知っている人ばかりであれば、飲みに行かないよ、小生は(笑)。

当たり前だけれど、知らない人が圧倒的であって、そこで知らない人に声をかけられたりするのが楽しい。
名前も住んでるところも、もちろん歳だってわからない。
たまに性別すらわからないひとだっているから困るんだけど(笑)

仕事が終わる、「ああ、やっと自由だ」なんて思いながら、電車に乗って途中下車して、特に行く店も決めず繁華街を歩く。そしてほとんどセットになっているのが、CD屋を覗くことである。
もちろん必ず買う、といことはないけれど、でもウロウロして陳列されているCDや雑誌や、グッズを眺めてみるだけでもいい。
そこで気になるCDがあれば購入して、居酒屋や立ち飲みに行って、ブックレットを見たりて、楽しんでいる。
それが楽しみの一つである。

ポールマッカートニーの来日が決まって約5か月。
ようやく11/12の大阪会場も京セラドームに決まって、チケットも届いた。
おそらく今までで一番いい席が取れた、万歳万歳を三唱していたら、11/11に追加公演が急遽決まってびっくりしてしまった。

本当は今回、東京、福岡、すべての公演を追っかけてやろうと思っていたのだけれど、さすがに仕事の都合で断念せざる終えなくて、大阪公演のチケット取得にすべてをかけたのである。
とりあえず、11日にウォームアップしていただいて、12日本領発揮していただこうじゃないか、ポール爺さんに(笑)。
11日にはグッズを買いに行って、12日はゆっくり公演の観戦に専念することにしよう。

↓ポールの新作「NEW」。日本盤は世界最高の4ボーナストラック入り全16曲。
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ポール6年ぶりのニューアルバム「NEW」を聴いていると、ポールマッカートニーという人は、一人で飲みに行ったりしない人なんだろうなあ、と勝手に想像してしまった。
有名人だから本当にピンで行くなんてないだろうけれど、もし一人でいける環境であっても行くのだろうか、行かないのだろうか。
おそらく、「行かない」だろう。
多くに人に囲まれて、新しい要素を吸収して作品を生み出していく人なので、そういう事は頭にはないのではないだろう。
一緒に飲みに行った人の友人を通じて、さらに友人を増やしていくタイプなのかな。
聴きながら、そんなことを思ったりした。

↓ちゃっかりいただいた新作宣伝用パンフ。3枚もらいました(笑)
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↓チラシ裏面は現在入手できるポールのアルバムたち。早く過去の名作も再発してね、ポールちゃん。
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6年ぶりの新作と言っても、2011年に昔のスタンダートナンバーをカバーした「KISSES ON THE BOTTOM」を発売したり、そのライヴ映像を出したり、そして過去の作品のボックスセットなんかの発売もあったから、久しぶりな感じはしない。
このニューアルバムを聴いていると、「過去の僕の作品はそれで振り返ってくれればいい。でも新作は新しい事を自由にやるから」というポールの声が聞こえてきそうな作品になっている。
ある時期は遠くへ行った友達から「元気にしてるで」といった手紙のような感じでアルバムを届けてくれたらそれで十分だと思っていたので、こうやって早い手紙のレスポンスはやっぱりうれしい。
ポールの歌声が聞こえてくるだけで、笛や太鼓を持って走り回りたくなるくらい、嬉しいのだから、我々ポールファンは。

↓ブックレットより。
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初めてニューアルバムを聞いたときの印象は1986年の「PRESS TO PLAY」である。
ポールが自ら「あれは失敗作だった」と語る、暗黒時代のポール、と呼ばれる時代のアルバムである。
最近のポールの音つくりの傾向からしてある程度の内容は予想できたのだけれど、これはポールのアルバムの中でも「辛口スパイス」の利いた一枚なのではないだろうか。
↓1986年発表「PRESS TO PLAY」。当時は失敗作のレッテルを貼られて、ポール本人も認めた。
だけど、それは「世間一般に比べて」完成度は高水準。ただし、少しいじくりすぎたかな・・。
ジャケットはジョンの「ダブル・ファンタジー」を意識した?(笑)
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しかし、あの時と圧倒的に違っているのは「ポールの周囲にいる人間のポールに対する接し方」である。
あの時は「ポール・マッカートニーという王様」を知っている人間が制作に携わっていて、ポールが絶対に王様だったのである。
ポールがこう言えば、周りはそうする。
ポールが違うといえば、周りもそれに同意する。
もちろん、今でもポールはキングなのだけれど、しかし、当時のポールは周りを寄せ付けないくらいの神格化された感じがあって周りはイエスマンばかりだった。
だから僕はそうではなくて一人の人間なんだ、という意味を込めて地下鉄なんかで一般市民と触れ合っている風景を収めた「PRESS」のクリップを撮ったりしたのだろう。これは小生の勝手な想像だけれど。

↓1986年「PRESS TO PLAY」からの先行シングル。中学生だった当時は、予約して買いました。名曲なんですけど、中年太りしたポールのPV見て苦笑いした記憶が(笑)
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↓あれ、写真が横向いてる・・横向いてみてください(笑)
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今回、若いプロデューサー4人と組んでいて、おそらくポールの作品に対してもかなり口を出しているように思える。
そしてポール自身、それを望んでいるようにも思える。
そしてそれを心底楽しんでいるようにも見える。

昔からポールは共作とか、共同プロデューサーってのを好む人なので意外ではないのだけど、2000年代に入ってその色が濃くなってきて、そして一緒に仕事をした人は、口をそろえて「ポールとの仕事は素晴らしかった。ポールは素晴らしい人」という。
ビートルズアンソロジーが出る前の、ポールに対する周りのミュージシャンのイメージは違ってきているように思える。要するに、当時は周りが勝手にポールを手の届かない神様だと勘違いして、神格化していたのだろう、きっと。
勝手に、周りが何もポールに対して何も言わなかった、そして言えなかったのである。

ポールという人は元々そうではないのだけれどね。
そんなポールの神的な扱いに一石を投じたのがエルヴィス・コステロだったことは、ポールファンならば誰もが知っている。

↓1989年「FLOWERS IN THE DIRT」からの1stシングル「MY BRAVE FACE」。エルヴィス・コステロとの共作。これでポールは息を吹き返しました。高校生だった小生が涙した1枚。
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今回音の作り方にしても4人のプロデューサーの色が4人4色に出ている。つまりそういうことなのであろう。
ポールが4人のプロデューサーの色に自分の身を任せたのである。

アルバムは12曲収録で、日本盤が世界で一番ボーナストラックを含む16曲入り。
「セイヴ・アス」は80年代のカッコいいポールの典型的なロックンロール。ポール・エプワースとの共作。
アデルのプロデューサーのポール・エプワースとは、その他にも3曲も共作しているし、そのすべてが80年代のポールの良質な部分を再構築した現代のロックンロールである。

↓ブックレットより
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「オン・マイ・ウェイ・トゥ・ワーク」は僕らが知っているメロディアスでリズミカルなポール・マッカートニーである。
これはかのジョージ・マーティンの息子ジャイルズがプロデュース。このあたり、彼の幼いころからポールおじさんを知っている、彼に対するイメージなのだろう。
少しアジアっぽい間奏も入っているけれど、しっかり土台がアコースティックギターで出来ている曲である。
「アイ・キャント・ベッド」は「オンリー・ママ・ノウズ」みたいなリフと「バンド・オン・ザ・ラン」の様な頼りないシンセの音が入って、サビの部分はまるで「ゲット・バック」であるところが微笑ましい。
このあたり、プロデューサーが客観的にポールを見ているから出来る、ポールの過去のパロディである。

イーサン・ジョーンズはなんと、かの名プロデューサー、グリン・ジョーンズの息子である。
ビートルズの幻のアルバム「ゲット・バック」をプロデュースしながら、没にされてしまった親父の敵討ちなのだろうか?非常にポールらしい音に仕上げていて、昔からのポールファンであれば、4人のプロデューサーの中では、彼との相性が一番と感じるのでは?と思われる。
「ホザンナ」はポールらしい、アコースティックな切なさが出ていて、素晴らしい。
ボーナストラック扱いだけれど、「ターンド・アウト」は我々が知っているポップでキャッチーなポール・マッカートニーである。少しE.L.Oっぽい曲なのだけれど。

そしてシングル「NEW」もプロデュースしたマーク・ロンソンは自らポールにプロデューサーを名乗り出た人物であって、先行シングル「NEW」も世間が知っている、我々が大好きなポール・マッカートニーである。
最初にこの曲を聴いたとき、本当に涙がチョチョギレるほど、感動した。
おそらくポールはササッと仕上げた曲なのだろう。しかし、世間はそういうインスタントなポールマッカートニーを愛しているのである。
↓ブックレットより
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全体的にポールの声がノイジーに処理されていたり、音つくりが打ち込み多様でまるでファイアーマンみたいになっているところもあるけれど、やっぱり、当たり前だけれどポールの声なので安心する。
ポール・マッカートニーのアルバムを聴いていて、ポール・マッカートニーの声が聞こえてきて安心するのも変だけど(笑)

↓さて、ポール祭りでも開始しようかな(笑)
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さて、ポールが来日する。
おそらく今回が本当に最後の来日になるかもしれない。
この日はだれに何を言われても、仕事は切り上げて、会場に向かう。
この日はそっとしておいてね(笑)

ポールは行く居酒屋を決めてから行くのかな?なんて思いながら、おそらく小生と同じで決めずに行く人なのだろう、きっと。しかし、徹底的に違うのは、大勢の人と行くんだろうな、と思いながらニュー・アルバムを聴いた。
そしてもし、日本の居酒屋でポールが一人で飲んでいる姿を見たら、小生は間違いなくこう声をかけるだろう。
「I‘ve Been Waiting For You Babe、Paul」
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by hirowilbury | 2013-10-20 18:01 | ビートルズ