今では通常生活しているときはコンタクトレンズをしていて、帰宅したらメガネ、というパターンである。しかし、小生は小学生3年の頃から中学にかけて、普段からメガネをかけていた。
今ではお洒落の一つでメガネを着用したりする事も増えたみたいだけれど、しかし当時はメガネをかけていると「格好悪い」方が先行していた。間違いなく。
一度、小学3年の頃友人の誕生日会の呼ばれて行く途中に、何かにぶつかったか何かでアザを作ってしまった。そして、お呼ばれした友人の母親に「大丈夫?目が4つもあるのに、気をつけないとね」って言われて、そのまま会には顔を出さず悲しくなって帰ったことがあった。
それまで自分の外的な部分で非なんて考えたことが無かった。
人に言われると結構傷つくものである。
なので自分は、人が傷付くのでは、と思われることは絶対に言わない様に心がけている。
結構いるのね、ズケズケと言う奴。
そういう人とは話しないようにしている。

その事件以降から、そういうネタはこちらから先にネタにしてやろうと決めた。
現在、自分は頭が薄いのだけれど、こちらから先制を打つ。
しかし、そのほうがすっきりする。
ま、それが欠点だなんて思っては無いけれどね。

ザ・フーのピート・タンジェントが自分の鼻の高さに悩んでいた、というのは有名な話である。
「子供の頃可愛い女の子が、自分の鼻のことでヒソヒソ話をしている光景を目にした。ちくしょうめ、今に見ていろ。だから、曲を作ること、演奏して楽器を壊すことでそのフラストレーションを解消していた」などというインタビューを読んだことがある。
↓「MY GENERATION」THE WHO (1965) 彼らのデビューアルバム。
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大人になっても子供の頃にバカにされた恨みはずっと抱えていた、ということなのだろう。
基本的に恨みを根に持つ、非常に執念深い人なのである。
そして、そのフラストレーションをピートは「アイ・キャント・エクスプレイン」で「感情を上手く言い表せないフラストレーション」、「マイ・ジェネレーション」で「自分たちの言いたいことはこうだ。ジジイになる前に死にたいぜ」という歌詞を書いて、同世代若者の普段の同じ悩みを歌にした。

http://www.youtube.com/watch?v=D67BIv-R3Qw&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=uswXI4fDYrM&ob=av3n

だから、パンクロックが出現したとき、ストーンズ、ミック・ジャガーはイモ、などとバカにされたけれどフーとキンクスだけはパンク・ロッカーからも「パンク・オブ・ゴッド・ファーザー」と崇拝されたのだろうきっと。
しかしなぜ崇拝されたのかと考えてみると、やはりピートが自分に誠実である、というのが理由だと思われる。

ピート・タウンジェントは信頼できるミュージシャンであって、嘘はつかない。
いつでも必ずこちらの味方でいてくれるし、こちらが歌って欲しいことをストレートに歌詞に乗せてくれた。
そして、それはヴォーカルのロジャーに託して、自分はギターでそれを表現する。
しかし、誠実でいること、嘘をつかないでいることを実行することで、自分を苦しめることにもなる。
↓小生所有のTHE WHOのCD一部。まだありますが、写りきらん。
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それは1964年に英国から「アイ・キャント・エクスプレイン」でデビューして、3rdシングルで発表しヒット曲になった「マイ・ジェネレーション」の中にあった。

「ジジイになる前に死んでしまいたい」

この一つの歌詞がピートをいままで苦しめた。
死に切れなかった、というのが正しいと思われる。
それに対してまた悩む。
結局、結果的に嘘をついてしまったことに対して悩んでいたのである。
↓フー解散後に発表したピートのソロアルバム達。
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彼は自分が言った事にしっかり責任を持って来た。
要するに、非常に生真面目なのだ、ピート・タウンジェントと言う人は。
そして繊細な心を持ち、そして怒りっぽくて、神経質でもある。
しかし、小生はこういうミュージシャンは、心底信頼できる。

ドラムのキース・ムーンが1978年になくなったときも、一度ピートはフーの解散を考えている。
しかし、ケニー・ジョーンズを入れて再出発している。
後に彼はまた「キースが死んだときに終わっておけばよかった」と悩む。

そういう人なのだ、彼は。

今日は朝からフーを引っ張り出して聴いている。
英国でのファーストアルバム「MY GENERATION」のジャケットも素晴らしいけれど(モノラルのオリジナル盤である)、特に小生が英国に行ったときに中古レコード屋で購入した「MEATY BEATY BIG & BOUNCY」のジャケット。
素晴らしい。一生の家宝にしたいくらい。
そして、小生はこれからも死ぬまで、ザ・フーのアルバムを聴き続けるだろう。

彼らは「子供のまま大人になった、正しいロックミュージシャンであって、一番ロックに相応しい大人たち」である。
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# by hirowilbury | 2012-03-04 14:43 | 音楽

最近、仕事で帰宅するのが遅い。
帰ってみたら日付が変わってしまっている事もあって、ま、仕事だから仕方ないのだけれど。
だから帰って来るとすぐ寝るのかと言うとそうではなくて、必ずレコードを1枚聴く様にしている。
こうやってバランスを取らないと、中々厳しいのねサラリーマンって。。

その時に聴くのは、ビートルズの時もあれば、ポールの日もあるし、ジョンの日もある。
かと思えばRCのアルバムを聴いたり、ニール・ヤング、そしてニック・ロウのアルバム、と言うこともある。しかし、基本的にこういう人たちのアルバムを聴くと、次々と聴き始めてしまうからバツが悪い。
時たま新しいミュージシャンのアルバムを聴くこともあるのだけれど。

昔は、こうやって朝を迎えてしまったことが度々あった。
最近では、キリの良いところで寝るようにはしているけれど、最近、これがまた朝起きれない。
幸い、小生の会社にはフレックス制度と言うのがあって、それを使うようにしている。
9時に出社なのだけれど、9時30分とか30分だけね。その朝の30分はとてつもなく大きい。

バッド・フィンガーのアルバムを聴き始めると、今でも夜明け近くになってしまう。
これは昔から変わらないのであって、なるべく仕事が終わって帰宅してから彼らの音を聴くのは避けようとするのだけれど、一度聴いてしまうと、取替えひっかえ、次々彼らのレコードがターンテーブルに乗ってしまって、ドツボにはまる。
なので、彼らの音を聴くのは、ちゃんとお酒のセットを準備してからにするようにしている。

バッド・フィンガーというグループは、ビートルズが設立したアップル・レコードから1969年にデビューしたグループであって、アップル・レコードから4枚、ワーナーに移籍してから2枚。他にもアルバムを出しているけれど、小生が認めている「バッド・フィンガー」はこのピート・ハム、トム・エヴァンスが在籍した6枚である。
彼らは、悲劇のグループとして知られていて、歴史を知れば知るほど涙が出る。
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元々アイヴィーズ、というグループ名だったのだけれど、ポール・マッカートニーが改名してバッド・フィンガーになったという話である。(元々ビートルズの「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」の仮名が”バッド・フィンガー・ブギ”という曲名だったのでそこから取られた、という説もある)

この辺り話せば長くなってしまうのだけれど、中心メンバーのピート・ハムが1975年首吊り自殺してしまって、更に1983年にはトム・エバンスも自殺してしまう、という信じられないような悲劇の最後を迎えている。
「NO DICE」や「STRAIGHT UP」なんかのヒットアルバムを出して、「NO MATTER WHAT」や「COME AND GET IT」「DAY AFTER DAY」、「BABY BLUE」なんかの名曲をシングル・ヒットさせたグループのメンバーが自殺、しかも2人も、なんてグループは他に知らない。
(ちなみに「NO MATTER WHAT」は小生のバンドでもコピーしました)

↓「NO MATTER WHAT」
http://www.youtube.com/watch?v=Xoke1wUwEXY&feature=related
↓「DAY AFTER DAY」
http://www.youtube.com/watch?v=u6N3hPY9gLs&feature=related
↓「COME AND GET IT」
http://www.youtube.com/watch?v=Bk57K4OGrAg
↓ポールが彼らに送ったデモ・テープ。そのまんまである。演奏・歌、全てポール1人。
 「ABBEY ROAD」制作中にポール1人で録音。
http://www.youtube.com/watch?v=m1xss8MlwCk&feature=related

元々、ビートルズのツアー・ローディだったマル・エバンスに見出されてビートルズにデモ・テープが手渡り晴れて「アイヴィーズ」としてデビュー。
ここまでは、良かった。
しかし、アイヴィーズとして「メイビ・-トゥモロー」でデビューしたけどヒットしない。なので、アイヴィーズとしてのアルバムも制作・完成しながらもアメリカ、イギリスでは発売が見送られた。(日本ではちゃんと出ました)。
↓「MAYBE TOMORROW」THE IVEYS
http://www.youtube.com/watch?v=5cuAs4O119s&feature=related
アップルレコードでの酷い扱いを聞いて、救いの手を差し伸べたのが我がポール・マッカートニーであって、彼らに「カム・アンド・ゲット・イット」という曲をプレゼント。それを機会にバッド・フィンガーとバンド名を改める。これが映画「マジック・クリスチャン」の主題歌(リンゴも出てます)に抜擢されて大ヒット。アルバムもアップルからは色々注文を付けられはしたけれど、「NO DICE」、「STRAIGHT UP」とジョージ・ハリスンや、トッド・ラングレンのバックアップなんかもあってヒットは飛ばす。
あのニルソン、そしてマライア・キャリーの代表曲として知られる「ウィズ・アウト・ユー」は彼らの曲なのね。オリジナルはピート・ハムとトム・エヴァンスの合作。


しかし、ヒットを飛ばせどお金、印税は彼らに入ってこない。ヒットを出しても、彼らの生活は苦しいままだったらしい。
マネージャーにだまされているのでは、と感じたメンバーはマネージャーを訴えようとする。しかし、リーダーのピート・ハムは「もう少し彼を信用してみよう」、とメンバーを説得する。
しかし、案の定、彼らのマネージャーは、彼らからお金を絞れるだけ絞っていて、お金をもって逃げてしまう。それを知ったピートは首吊り自殺してしまう。ピート27歳の時である。
こんな悲劇があってもいいのかと思うのだけれど。。。

アルバムもあれだけの名曲、名作を作ってきたグループだとは思えないくらい、酷い扱いを受けてきた。「ASS」というアルバムのジャケットも、ロバがニンジンを見つめて振り返っている写真である。あれは、アップルの関係者が「ニンジンに釣られてワーナーへ移籍するバッド・フィンガーに向けて作られたジャケット」だという。そんな酷い話があるだろうか。

ワーナーに移籍して心機一転、「涙の旅路」「素敵な君」という2枚の名作を出すけれど、結局そのあとピートの悲劇が起きてしまった。

その後、バッド・フィンガーはトム・エヴァンスとジョーイ・モーランドを中心に継続されるけれど、今度は色々と精神的に悩んでいたトム・エヴァンスが自殺してしまう。
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27歳で亡くなったロック・ミュージシャンは多い。ピート・ハム、ジミ・ヘンドリックス、ジム・モリソン、ジャニス・ジョプリン、カート・コバーン。その他にも何人かいる。
自分はすでに40歳に近い。もうすぐジョン・レノンの享年である。
そして、27歳の彼らが残した作品を聞いていると、今でも自分のほうが年下に感じてしまうのが不思議である。
おそらく、実際自分の年齢が彼らの年齢を追い越しても、いつまでも彼らは小生より年上におもえるのだろうな、きっと。

そんなことを思いながら彼らのアルバムを聴いていると、また夜明けが近づいてくるのだな、これが。。
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70年代の英国には、こういう甘酸っぱい音を聞かせるグループがたくさんいたけれど、最近はこういう良質なポップなロックン・ロールを聞かせるグループが減って寂しいと思う今日このごろ。
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# by hirowilbury | 2012-02-25 22:33 | 音楽

デビューアルバムというのは、そのミュージシャンの全てが込められていると言っても言い過ぎではない、と思う。だいたい、メジャーでデビューすることになると、自身がデビュー前から歌ってきた歌なんかが入っていて、感性もダイヤモンドの原石みたいに、ピカピカで輝いている。
自分が歌いたいことを歌にしていて、変に相手を意識していないので、素直で、ミュージシャンの言いたいことがダイレクトに伝わることが多い。
しかし、2作目、3作目となってくると、少し考えてしまうようになって、力が入ってしまって、結局納得の出来なかったレコードを作ってしまう。そして、決して、デビューアルバムで見せることの出来た初々しい姿、というのは二度と見せることが出来ない。
ビートルズも、あれだけ名作を作ってきたのに、解散間近の頃には初心に戻ろうと幻のアルバム「ゲットバック」を作って、しかし、それが失敗に終わった。つまり、「ウィズ・ザ・ビートルズ」、「ラバー・ソウル」「ホワイト・アルバム」「アビイ・ロード」というとんでもない傑作を作ってきた彼らでも、再びデビューアルバムである「プリーズ・プリーズ・ミー」を再度作ることができなかった。そして、解散した。
ドアーズも結局デビューアルバムを越えることが出来ず、燃え尽きてしまった感がある。
彼らの2作目、3作目は世間的には傑作だけれども、しかし、デビュー作の攻撃性、そして「ライト・マイ・ファイアー」、「ブレイク・スルー」は作れなかった。
そのミュージシャンのすべてはデビューアルバムに込められていることが多い。

ロン・セクスミスも、デビューアルバムではピカピカに輝いていた。今でも輝いてはいるけれど、しかし、結局あの奇跡のような「シークレット・ハート」は生まれていない。


ロシアン・レッドのデビューアルバム『フエルテベントゥーラより愛をこめて』は、スペインで生まれた原石のように、輝いている。
本名をルルデス・エルナンデスというのだけれど、グループではなくて、ステージ・ネームであって、いわゆる芸名である。スペインのマドリード生まれで、しかし、スペイン語ではなくて、英語で歌っている。
この辺り、ビジネスの匂いを感じたのだけれど、しかし、最初から英語で歌詞を書いていたらしく、影響を受けたミュージシャンにはニック・ドレイクや、ビートルズの名前も挙げている、正しく育った1985年生まれの22歳である。
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基本的にまだまだ荒削りで、完成もされていなくて、フォーク・シンガーなのだけれど、決してフォーク・ギターだって上手くない。1枚本国ではアルバムを出しているのだけれど、これが世界的なデビューアルバム、ということになるらしい。
テクニックも、器用さもないけれど、ピカピカに輝いている。
そして、彼女自身も、魅力的であって、メリー・ホプキンのような朝に輝く太陽のように美しい。

こういう風に、非常に魅力のあるデビューアルバムを作るミュージシャンに出会える事は少ない。
そして、そういうアルバムに出会えると、非常に嬉しい。

これからも変に背伸びをせずに、このまま歌い続けて欲しい。
以下に、彼女の歌声をリンク張りしておくので、是非聞いていただきたい。
歌声は小生が保証します。

↓ビートルズのカバー「A Day In The Life」(アルバム未収録)
http://www.youtube.com/watch?v=QKlS_p-OaD8&feature=related
↓アルバムからの1stシングル 「The Sun The Tree」/RUSSIAN RED
http://www.youtube.com/watch?v=6oTJmiQ1eRE&feature=related
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# by hirowilbury | 2012-02-19 20:51 | 音楽

昔、小生は小学4年から、中学、高校の6年、社会人になってからの2年間、合わせて12年間陸上部に所属していて、ずっと走っていた。
よく続いたなあと思う。勿論、数知れないほどの大会にも出場した。
小さいのもあれば、大きな大会も出場している。
しかし、今思い出してみると、実は自分の中で覚えている試合というのは数知れている。
それなら、覚えている試合がどういうものかと言うと、優勝したとか、記録が良かったとかそういう類のものも中には確かにあるけれど、結局殆どが自分が「本気で取り組んだ」とか、「本気で意を決して走った」、というものだけである。

他の試合は、本気ではなかったのか、と聞かれると、決してそういう事はなくて、それはそれで必死に優勝しよう、高タイムを出そう、と取り組んだ筈である。そして、その中には確かに優勝したレースもあっただろう。しかし、当の本人は覚えていなくて、実は周りの人間のほうが覚えていたりする。不思議だけれど。

それは、その試合の日が何か特別な日だったとか、相手が余程の強豪だったとか、そういう類のものであって、結局、小生は「何かきっかけが無いと、本気で取り組まなかった」という怠け者だった、ということになるのだろう、きっと。正直、今思えば「何か自分を追い込むもの」とか、「ギリギリ限界」なんかの理由がないと、やらない。
結局、瀬戸際にならないと、本気にならないのである。
やはり、小生は基本、怠け者だったのだろう、きっと。

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ポール・マッカートニーが今年、ビートルズがデビューしてから50周年、年齢も70歳という節目の歳を迎えた。

ということは、当たり前だけれど20歳でデビューした、ということになる。
そして、20代のポールは約8年をビートルズのポールとして活動した。そして、1969年、ラストであり、彼らのベストアルバムである「アビイ・ロード」を発表して、ビートルズは解散した。
このレコードは、既にバラバラになっていた3人にポールが呼びかけ、ビートルズの最後の力を集結して作成したものだけれど、メドレー終盤に入っているポール作「キャリー・ザット・ウェイト」は、以下のように歌われる。

「君はその重荷を背負っていくんだ
 これからの長い人生 ずっと
 君はその重荷に耐えていくんだ
 これからの長い人生 ずっと」
   "CARRY THAT WEIGHT"/ from「ABBEY ROAD」

このレコードは、「ビートルズの最後になるだろう」と4人が分っていたからこそ完成したレコードであるけれど、B面のメドレーなどは、ポールの力によるところが大きい。
ポールが飽和状態になるくらい、力を入れて作ったレコードである。
そして、そこにポールが他の3人に向けて書いたと思われる上記の歌がある。
しかし実質、ビートルズ解散後、この「重荷」を背負う事になったのは、他でもないポール・マッカートニーである。他の三人は、自分の音を、ソロアルバムとして出せば、ビートルズ以外の音に仕上がった。ジョンはジョンの、ジョージはジョージの、そしてリンゴでさえリンゴの音を作り出した。
そして、他の3人はそれで世間やファンからは絶賛されたのである。

しかし、当のポールは困った。
ポールがソロでやっても結局「ビートルズみたい」になってしまう。
それはそうだろう、暴言を承知で言うと、「ビートルズの音はポールの音」だったのだから。

しかし、元々意地っ張りな所がある人だから(だから好きなんだけど)、意地になって自分の音を作ろうとした。自分の新バンド、ウィングスを結成して、しばらくしてようやく「自分の音」が固まって来て、いよいよ次の新作でいよいよウィングスが飛躍する、というタイミングでレコーディング直前でバンドメンバーに脱退されてしまう。しかし、残ったメンバー(といっても、妻のリンダを入れて3人)で作り上げたのが「バンド・オン・ザ・ラン」である。ここでのポールの本気度は異常である。ここは以降の自分の活動が、生きるか死ぬか、という瀬戸際だったと思われる。
殆どの楽器を自身で演奏していて、しかも、ポールが病気になってしまうほどの緊張感を持って制作された。

その後のウィングスは軌道にのって、向うところ敵なしだった。
そこからのポール活動、活躍は、間違いなく第2期黄金時代と言ってもいいだろう。
作品も非常に安定した、質の高いレコードが生み出された。

ポールという人は「ノリに乗っている」時は勿論、安定したアルバムを作る。
ノリに乗っているのだから当たり前なのだけど。しかし、その「安定」がずっとポールを聴いてきた人間からすると、物足りないように思えてしまう。
勿論、ポール自身は良い作品を制作しようとして、アルバム制作に着手しているはずである。
手を抜いているつもりは、これっぽっちも無いはずである。
しかし、ファンから見ると変に作品に余裕を感じてしまうのだ。ポールという人は、才能が有り余っているから、適当にササっと作品を作っても、他人の平均以上のものが出来上がってしまう。
出せば売れる、そして世間から絶賛される。
しかし、我々ポールファンからすると、「あれくらいで、ポールを絶賛されちゃ困る。もっと凄いのよ、彼は」という葛藤が生まれる。

ポールが「傑作」を生み出す時には、必ず直前に何か事件が起こる。
それはポール自身のやる気、本気に火を点けさせるような出来事が多い。
「アビイ・ロード」、「バンド・オン・ザ・ラン」、そしてウィングス解散の危機で制作され起死回生とになった「バッグ・トゥ・ジ・エッグ」、ジョンが亡くなって最初に発表された「タッグ・オブ・ウォー」、80年代のスランプから起死回生の一撃「フラワーズ・イン・ザ・ダート」、制作前に妻のリンダのガンが発覚した「フレイミング・パイ」、初めて離婚問題に直面した「カオス・アンド・クリエーション・イン・ザ・バック・ヤード」など、傑作が発表される前には、必ず彼を奮い立たせるような事件が起きている。
結局、彼は瀬戸際、追い込まれないと本気にならない。
当の本人は、「本気」も「本気でない」もないのだろう、きっと。
おそらく、本人は普段どおりにやっているはずなのだけれど、その辺が天然なのである、ポールは。

ポールの新作は、「キッシーズ・オン・ザ・ボトム」というタイトルで、昔のスタンダート・ナンバーをポール自身がカバーしたものである。
小生もジャズ・ボーカルのアルバムは良く聴く。
しかし、やっぱり、ポールが歌っているだけでジャンルは関係なくなるのね。
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演奏も「ジ・インチ・ウォーム」でアコースティック・ギターを弾いている以外は、演奏は他人に任せて、歌うことだけに徹している。プロデューサーもトミー・リピューマであって、基本的に「歌手・ポールマッカートニー、スタンダートナンバーを歌う」というレコードである。
ジョン・レノンも「ロックン・ロール」を同じような手法で作成したけれど、そのポール版かな?今回は、ロックンロールではないけれど。
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「ロッド・スチュワートなどが、同じ類のレコードをシリーズで出したから、自分もやりたかったんだけど、先に出されちゃってね」というようなポールの話も載っていたけれど、昔からポールのアルバムにはこういう鼻歌的な作品が入っていたりしたので、ポールファンは慣れてるのね、こういうのに。
「マイ・ヴァレンタイン」は美しい。繰り返し聞いていたら、ビル・エヴァンスの「枯葉」のメロディーが浮かんで来る。
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こういうレコードが出る、ということは非常に今のポールは、ノリに乗っていると思われる。
非常に安定したレコードである。
正直安定しているから安泰、だけれど、ポール、あのね・・、という気も正直ある。
今回、世間では賛否両論になっているみたいだけれど、小生としては、「70歳の記念に自分の好きな事をさせてあげたら良いのでは?」と思っている。
そういう意味では、ポールは元気でやっているのだから、それでいいじゃないか、というのが小生の結論である。
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年内にはもう一枚今度はオリジナル新曲を収録したロック・アルバムが出るそうである。
次は「ノリに乗ったポールの大傑作」をお願いします。
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↓新作のプレス向けVD
http://www.youtube.com/watch?v=cW6RH2bOwd8
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# by hirowilbury | 2012-02-11 23:39 | ビートルズ

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前にも書いたけれど、自分の人生が、好きなミュージシャンとリアルタイムで一緒に過ごせることが嬉しい。
そして、その人の好きなレコードを、溝をすり減らしながら聴くことが小生の楽しみである。
レコードは聴くたびに溝が磨り減る。勿論磨り減るのだから、音は劣化して、ノイズだって増える。
しかし、それはそれで納得できる。自分の人生と同じ時を過ごしてきたのだから。

小生が所有しているビートルズのレコード、ジョンやポールのレコードだって、アルバムによっては、聴きすぎて盤面が白っぽくなっているものだってある。
「ア・ハード・デイズ・ナイト」のアルバムなんて、小学1年生のときの購入してすでに30年以上が経っている。ずっと聴いてきたからノイズが酷い。箇所によっては、バチバチとノイズを立てる。
しかし、それは自分が過ごした時間に比例して付いたノイズなのだから、仕方ないし、気にならない。
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CDの音は非常にクリアであって、盤面が磨り減ることはまずない。
しかし、自分の人生と一緒にノイズも増えていったレコードには愛着が沸く。
おそらく、自分が死んでも、そのCDは音が綺麗なまま、何も無かったかのように変わらずになり続けるだろう。小生の棺桶に入れてもらうのなら、CDより、レコード盤を入れてもらうようにしたい。


ある時期、毎日毎日聴いたレコードがニール・ヤングの「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」だった。
仕事が終わって、部屋に帰って来たら、まずオーディオアンプのスイッチを入れる。
冷蔵庫からビールとか取り出して、お酒のセットを準備する。
ジャケットからレコードを取り出し、そして、ターンテーブルにレコードを置く。
それから1回レコードに針を落としたら、A面1曲目の「テル・ミー・ホワイ」からB面ラストの「クリップルド・クリーク・フェリー」まで、延々と途中ビールからお酒に飲み物を代えて飲みながら、朝まで聴き狂ったことが何度もあった。
そして、歌詞カードを見ながら、そしてジャケットなんかをを見つめながら、延々と聴く。
すると、日中に溜まっていた毒が外に放出される。
明日もなんとか頑張ろうか、ま、なんとかなるか、なんて思いながら聴いていると、外が明るくなってきて、朝が来る。それ見ろ、ズームイン朝が始まってもうた、なんて言いながら仕事の準備をする。そんな日々が何度かあった。

「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」はニール・ヤングにとって、3枚目のソロアルバムで、1970年に発表されている。1枚目が自分の名前をタイトルにした「ニール・ヤング」で2枚目が「エヴリバディー・ノウズ・ディス・イズ・ノウホエア」。
この「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」のアナログ盤は小生が中学2年生のときに、大阪に独り旅に行ったときに(いや、正式にはこっそり家出した時、かな?)、輸入盤レコード屋で購入したものである。購入したのは1987年なので、盤自体すでに25年が経つ。
就職しても、実家から遥々離れた1人暮らしの部屋へ持ち込んだのだから、よほど愛着があるアルバムなのである。

ニール・ヤングという人は、自分がミュージシャンとして、ロックを演奏しながら歳を取ること、という事に真剣に向き合ってきた人である。同年代のロックを熱狂的に聴き続けてきたファンへ、そして、常に年老いる事を歌ってきた。それは、この人の永遠のテーマであるように思える。

老婆とニール・ヤングが道で顔も合わさずにすれ違って行くこのアルバムのジャケットもそれを物語っているのだろう。
つまり、歳を重ねることと顔を向き合わずに生きていくことは困難であって、不可能なのだ、というメッセージにも取れる。当時のニールヤングは20代後半である。今は老婆と顔や目は合わさず、何もなかったかのようにすれ違っているけれど、いずれ自分も「老い」と向き合う時が来る、そんな事を考えながら撮影されたジャケットのようにも思える。

今でもよくターンテーブルに載る1枚である。
これからも、ニール・ヤングと一緒に歳を重ねていこう。


↓「TELL ME WHY」
http://www.youtube.com/watch?v=dgxI3PT9IN8&feature=related
↓「AFTER THE GOLD RUSH」
http://www.youtube.com/watch?v=1e3m_T-NMOs&feature=related
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# by hirowilbury | 2012-02-06 02:00 | 音楽

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弟子「師匠、リンゴのニューアルバムが出ました。前作"Y NOT"から1年半振りです。スパンはやっ!」

師匠 「ふむ、リンゴが非常に活発じゃのう。2000年に入ってからのリンゴの創作意欲は凄まじいのう。」

弟子 「はい、師匠。2000年に入ってから、オリジナル4枚、例のオールスターバンド絡みのライヴ盤が8枚、ベストが1枚と、なんだかはちゃめちゃ状態です。」

師匠 「ふむ、なんだかヤケクソじゃ。しかし、オリジナル・アルバムの内容は非常に安定した優れた作品が多い気がするのじゃが・・・」

弟子 「はい、師匠。非常に過小評価されていると思います。70年代のソロ全盛期より、作品数も圧倒的ですし、優れた作品も多いんです。が、しかし、悲しいかな、ヒットしない。リンゴの人柄からか、新作を出すとファンからは温かく迎えられるんですが、思ったように売れないんです。」

師匠 「ふむ。しかし、ヒットしなくてもこうやって作品を出してくれたら、ファンとしては嬉しい限りじゃ。遠い友達から手紙が届いて、元気にやってますよ、的な。それで良いのじゃ。ああ、リンゴちゃん、好きよ。」

弟子 「き、気持ち悪いです、師匠!。今回のアルバムタイトルが"2012"という、なんだかGメン'75、カルメン'77みたいに、少しかっこ悪い気がするんですが・・・。」

師匠 「ふむ、リンゴちゃんにも今年こそ、っていう期するものがあるんじゃろ。今年はビートルズがデビューして50周年じゃからのう。と、同時に自身の芸能生活50周年でもあるんじゃ。その記念なのじゃ、きっと」

弟子 「さすがは師匠。読みが深い。今回、例のよって、70年代に発表した自身のソロを再演したり、はたまた、バディ・ホリー、ロニー・ドネガンなんかのカバーをやってます。しかも、オリジナルにはビートルズの曲のオマージュが含まれていたりして、遊び心も満載です。オープニングの「アンセム」なんぞ、イントロのドラムが "グラス・オニオン" の"ダダッダダッ"ですからね。いきなり、オーッってなりますね。"デイ・トリッパーのフレーズが飛び出したりして、全9曲、幸福の28分です。」

師匠 「ふむふむ。相変わらず茶目っ気が効いておる。ファンがどうしたら楽しめるのか、それが念頭にあるんじゃ。しかし、どこをどう聞いても相変わらずリンゴ節じゃのう。ドラムも聴いたらすぐリンゴちゃんのドラムって分かる。しかし、28分のアルバムとは。。短いが、やりたいこと、言いたいことを短時間でさっと済ましてしまう。潔いのう。あと、最近は「リヴァプール」っていう単語が歌詞に出てくることが多くなったな、リンゴちゃん。一種の哀愁か?ま、それでも、相変わらずの究極のワンパターン、しかも聴いてすぐに分るリンゴちゃんの声。リンゴちゃん、好きよ。」

弟子 「ですから、気持ち悪いですって、師匠!。プロデュースも自身でやってます。」

師匠 「ふむふむ、今までがウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズの人じゃったから、そういう人たちからプロデュースの技も吸収したのじゃろう。」

弟子 「さすがは師匠。今まではプロデュースされることを楽しんでいた節がありましたが、じゃあリンゴ・スターを自身でプロデュースしてやろうじゃないか、という感じですかね。」

師匠 「よっ!、弟子よ、お前もなかなか鋭い指摘をするようになったのう。誉めてつかわすぞ。師匠として嬉しいぞよ。ふむふむ。その自分の役割、リンゴスターとしての役割というのをよく理解してて、的確で、的を得たプロデュースをしておる。よく分ってるのじゃろう、自分のことを、リンゴちゃんは。。」

弟子 「お褒め、ありがとうございます、師匠。しかし、会話、いつまで続くんでしょうね?」

師匠 「ふむ、この形式で対話するのは久々じゃが、会話が弾むのう。今後、この形式でブログするのはどうじゃ?」

弟子 「はい、師匠。いいんですが、都度入力の際に、弟子、師匠、「」を入力するのが、結構めんどくさいんです。趣向を変えてみましたが、次回から今まで通り書きましょ。読んでくれてる人も読みにくいと思いますよ。」

師匠 「コラっ、オチが早い!みろ、1行余っちゃったじゃないか・・。」
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↓「WINGS」/RINGO STARR(2012)
http://www.youtube.com/watch?v=Tu7qpQFGXZ0
↓1977年の「WINGS」オリジナルヴァージョン
http://www.youtube.com/watch?v=W66wXkVRauo&feature=related
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# by hirowilbury | 2012-01-31 19:00 | ビートルズ

最近は、特定のミュージシャンとか、グループのアルバムを出る度に買い続ける、といった事が少なくなった。勿論、新作が出れば必ず購入している人もいる。

今思いつくところで言うと、ポール・マッカートニー、ニック・ロウ、ニール・ヤング、ロン・セクスミスなんかは、必ずニューアルバムが出れば買っている。

その中で、ニール・ヤングは小生にとって非常に大切なミュージシャンの1人であって、リアルタイムで言うと、1987年の「フリーダム」からは、ずっとアルバムが発売されると必ず聴いている。

先日、2月に入ったら発売される予定のポールの新作を聴いたのだけれど、いくら若々しいポールであっても、約30年間新作が出るたびに、ずっと聴き続けてきた小生としては、声の衰えは手に取るように分かる。
シワだって、相当増えた。70歳だもんね。
しかし、「ポールもさすがに年取ったなあ。」なんて言いながら聴いてはいけない。
自分も同じように歳を重ねているのだから。
ポールの声が「モゴモゴ」現象になってきているのと同様に、自分もそれだけ歳を取っていることを忘れてはいけない。

要するに、小生にとって重要なミュージシャンなのは、自分の人生と、そのミュージシャンが一緒に歩めて行ければ、それで良いのである。
そういう風に、一緒に歳を重ねることができる、信頼の置けるミュージシャンや、歌手が少なくなったということなのだろう、きっと。

ニール・ヤング。
小生が社会人になって、最初の年の冬に出たアルバムが「ハーヴェスト・ムーン」。
1992年の秋に発売になって、ちょうど中秋の満月の時期に発売された。
このアルバムは、1972年、つまり20年前に発表された「ハーヴェスト」へのアンサーアルバムである。
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「ハーヴェスト・ムーン」は「20年後のハーヴェスト」を歌ったものになっていて、「ハーヴェスト」の歌の中で、ニール・ヤングが心をときめかせた女性の、例えば自分が恋をしたダイナーでウェイトレスの女性か、自分と同じように歳を重ねたであろう、20年後が歌われている。
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歳を重ねることは、決して後ろ向きなことではなく、それは自然なことであって、それはそれで素晴らしい事なのだと、当時20歳だった小生はアコースティック・ギターを掻き鳴らして歌うニール・ヤングに教えられた。
それ以来、このアルバムは愛聴盤になっていて、CDのくせに、すれ切れるのでは?と思うくらい聴いているはずである。

ニール・ヤングという人は、一縄筋でいかない。
こういうアルバムを出したかと思うと、次はヘヴィなロックアルバムを出したりして、全く掴みどころがない。
しかし、ちゃんと歌の内容は、ちゃんとロックになっていて、こういう人は信用できる。

数年前に、この時のツアーを収録した、公式ブートレグ盤である、ライヴ盤「ドリーミン・ツアー92」というのが出て、それも熱狂的に聴いた。
基本的に、シンプルに10曲がまとめられているのだけれど、ニール・ヤングはライヴで曲間によく喋る。曲が終わるたびに喋る。しかし、そのMCはカットされていた。
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しかし、先日仕事帰りにフラフラしていると、その92年のつあーを完全収録した2枚組のCDが発売されていた。発売元は、ワーナーではなく、もしかしてハーフ・オフィシャルかな?とも思うのだけれど、聴いてみると非常に音も良くて、MCもちゃんと入っている。
MCの内容は、おぼろげなヒアリングで聞き取ってみると、やはり、「歳を取ること」に関してのニール・ヤングなりの思いを語っている。客層も、同じような年齢層なのだろう、非常に会場が一体になっている雰囲気が伝わってくる、非常に美しいライヴアルバムである。
ジャケットは良くないけど。
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この中で歌われる「ライク・ア・ハリケーン」はオルガン1本、ハーモニカのみで歌われていて、美しい。「ハーヴェスト・ムーン」の収録曲も殆ど披露されている。「アンノウン・レジェンド」も、タイトル曲の「ハーヴェスト・ムーン」も、そして「フロム・ハンク・トゥ・ヘンドリックス」も。
↓「アンノウン・レジェンド」
http://www.youtube.com/watch?v=RHBikURKkUM
↓「フロム・ハンク・トゥ・ヘンドリックス」
http://www.youtube.com/watch?v=tdiDV4S_8LY&feature=related
↓タイトル・ナンバー「ハーヴェスト・ムーン」
http://www.youtube.com/watch?v=qVi0UvFu8Yo&feature=related

これからも、彼のアルバムは発表されたら、必ず聴くだろう。
こういう風に信用できるミュージシャンには、一生付いていきたい。
こういうレコードは独りで、ヘッドフォンで聴きたい。
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# by hirowilbury | 2012-01-28 19:00 | 音楽

ちょうどビートルズが1966年冬に「サージェント」の録音に入った頃にレコーディングされた英国映画「ファミリー・ウェイ」(邦題「ふたりだけの窓」)のサントラ。
映画自体1967年に公開されて、英国独特のドタバタ喜劇であって、内容はそんなに面白かった記憶がないのだけれど(苦笑)。でも当時の英国の雰囲気がよく伝わる映画だった。
今はDVDも廃版なのかな?

小生にとって重要なのは、やはりこのサントラ、ということになる。
ビートルズ、としてではなくて、なんとポール・マッカートニーが単独で手がけていて、ビートルズがグループとして現役時代でありながら、ビートルメンバーが手がけた最初の「ソロ」という事になる。
といっても、ポールは作曲のみであって、アレンジは例によってジョージ・マーティンで、ポールは演奏には参加していない。
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作曲だけなので、どうっていう事はないのかもしれないけれど、ポールがゲストで他人のレコードに参加していて、少しでもバックコーラスなんかでポールの声が聞こえただけで「あ、ポールの声だ、ポール」となってしまうミーハーなポールファンの小生としては、十分なのである。
ポールがゲスト参加しているのであれば、ポールの声が聞こえてきて、あたりまえなのだけれど(笑)。

重要なのは、ビートルズ現存中に、ポールが単独でグループ以外の仕事を請けて、それを発表した、ということ。
ジョンは、後々までこれを根に持っていたらしい。ジョンはやきもち焼きだからね。
それに対して、ポールって悪気がなくて、天然だから(笑)。

で、内容なのだけれど、「映画の中に流れるBGM」といった感じで、全てインストゥルメンタル。
しかもオリジナルは全部で13曲入っているのだけれど、シングルになった(映画の主題歌?いや、歌がないから主題曲か・・)「ラヴ・イン・ジ・オープン・エア」以外は、全曲タイトルが付けられていない。
曲名がないので、説明しづらいっちゃありゃしないのだけれど、4曲目から6曲目、なんぞは、このあと製作に入るアルバム「サージェント~」でのホーンの使い方、「シーズ・リヴィング・ホーム」のバッキングの予習見たいな感じもするし、なんとも、全曲、随所にポールらしいメロディが登場するので、やはり聞いていてハッとする箇所が多い。
ボーナスで収録されている、シングル曲「ファミリ-・ウェイのテーマ」なんぞ、まさに「サージェント~」、「マジカルミステリーツアー」での予行練習。
http://www.youtube.com/watch?v=d84w9x0FNgo

さすがポールなのである。


一番面白くないのがシングルで主題曲の「ラヴ・イン・ジ・オープン・エア」かな?(苦笑)
なんか、日本の70年代の昭和歌謡みたいなアレンジになっちゃってて、イントロが始まった瞬間、いしだあゆみとか、西田佐知子とかがマイクをもってステージの袖から出てきそうな雰囲気である(笑)。
http://www.youtube.com/watch?v=GstML1HEt6Q&feature=related
ま、これはこれで悪くないんだけれど、ポールが作曲した、というものでなければ、小生の記憶からなくなっていってただろうな、きっと。

長い間アルバムは入手困難であって、去年初めてCDになって、アルバムは全体を通して初めて聴いた。昔ブートで聞いたときは、そんなに印象に残らなかったけど、今回聞きなおしてみたら、良かったです。

あ、間違ってもこれは「ビートルズ」「ポールマッカートニー」の副読本的なアルバムですので。念のため。
今日はこれでおしまい。
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# by hirowilbury | 2012-01-21 18:00 | ビートルズ

ジョージハリスンの生涯を描いた映画「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」が昨年映画館で上映されて、それがDVDとブルーレイ、未発表バージョンがCDになったものがセットになって発売された。
小生は、昨年、なんばのマルイの映画館で観たのだけれど、個人的には知っているエピソードが多かったけれど、しかし新事実もあったり、見たことのないフィルムが挿入されていたりして、内容には満足した。
確かにマニアの視点で言うと、正直、もっと期待していた部分もない事はない。
しかし、未亡人であるオリヴィア公認の映画であるし、オリヴィアは勿論、ポールだって、リンゴだって、息子のダニーだってちゃんと出演している。他人があれこれ言う必要はないように思う。
公式なドキュメンタリーとしては十分ではないか。
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しかし、映画を見たファンの中には「物足りなかった」とか色々賛否両論みたい。
だけれど、この映画はマニアに向けた映画ではなくて、一般のファンに対しても公開されている、公式なドキュメンタリー映画なのである。大衆に向けて発せられた、ジョージの生涯を描いた映画なのである。マニアだけが満足しては行けない、観た人を納得させなければならない。
そういう点で言うと、小生は、内容は十分合格点だと思っている。

しかし、1966年に撮影されたと思われる、シタールを修行しているジョージの写真とフィルムは素晴らしい。とにかく、月並みだけれどかっこいい。

あと、リンゴが、ジョージの最後をインタビューで語りながら、思わず感極まって泣き出してしまう所は、小生も思わず泣いてしまった。

それにしても、インタビューを受けてジョージを語っているメンバーの数名が既に故人になっているのも、何ともいえない気持ちになってしまった。

↓映画の予告編です。
http://www.youtube.com/watch?v=AGMMXK-661M
改めて、年末に届いたDVDを観て、未発表曲とか未発表デモが含まれているこのボックスセットでないと聴けないCDを聴いて個人的には楽しもうと思っている。
CDに入っているジョージがアコースティックギターで歌う「レット・イット・ミー・ビー」のエヴァリーブラザーズのカヴァーと、「オール・シングス・マスト・パス」のデモは素晴らしい。
僕は毎日、通勤時聴いている。
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# by hirowilbury | 2012-01-14 22:28 | ビートルズ

謹賀新年

今年もよろしくお願いいたします。
という訳で、今年最初に我が家に鳴り響いたのはビートルズ「ザ・ビートルズ」。
通称「ホワイトアルバム」2枚組、1968年発表。
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今まで何度このレコードが、小生のターンテーブルに乗ったことだろう。
数えたことはないのだけれど、おそらく数千回は越えているものと思われる。
いや、数万回かもしれない。
現に、最初に買ったホワイトアルバムの盤面は聴き過ぎて、モロモロになっているように思える。
パチパチとかノイズが入る。
今まで何度も書いてきたけれど、レコードは針を置いて、それが自分の人生と重なると思っているので、それはそれで良い。気にならないし、気にしない。

毎回このレコードを聴くたびに思うのだけれど、前作「サージェント」と、この「ホワイトアルバム」の間は、発表から1年ほどしか開いていない。その間、「マジカルミステリーツアー」なんかも作っているのだから、実際1年も開いていないと思われる。
しかし、このレコードの製作に入ったときには、すでにビートルズはバラバラだった。
最初にこのアルバムを聴いたとき(1983年頃。勿論後追い)、ジョンの「アイム・ソー・タイアード」、「ヤー・ブルース」のシャウト、ポールの天才的な必殺メロディ「アイ・ウィル」を堪能した代わりに、ビートルズがこのレコード中に存在していない様な、感触を覚えた。小学3年の冬のこと。
ジョン・レノン&ビートルズ、ポール・マッカートニー&ビートルズ。
結局各自のソロに、ビートルズというバックが務めている。そんな楽曲の数々。
しかし、それを4人はアルバムタイトルに「ザ・ビートルズ」という自分たちの名前を付け、一つの作品として仕上げたのだろう、きっと。
楽曲ごとにビートルズではなく、アルバム全体でビートルズ、という感じで。
ビートルズがいよいよソロアーティストとして、羽ばたこうとしている感触を覚えるアルバムなのである。
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小生は毎年、このアルバムのジャケットみたいに、年の初めには真っ白になって、原点回帰を目指すのだけれど、今年も懲りずに、このアルバムからスタートです。
発売当初は散漫だのなんだと叩かれたみたいだけれど、小生は、これを棺に入れていただきたい。

今年もよろしくお願いします。

↓「YER BLUES」
http://www.youtube.com/watch?v=rDCu1UjezDc&feature=related
↓「I WILL」
http://www.youtube.com/watch?v=8eV1jJa6jJE&feature=related
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# by hirowilbury | 2012-01-03 13:07 | ビートルズ