2011年 03月 07日
夢の中のまっすぐな道
1968年のアルバムであって、サイケだとか、ブルース・ロックだとかが最盛期
の時期に発売されたのだけど、初めて聴いた人は面食らっただろうな、きっと。
ビートルズは通称ホワイトアルバム『ザ・ビートルズ』を出して、ストーンズは
「ベガーズ・バンケット」を出して、クリームは解散して。。の年。
A面(今は言わないか・・)の1曲目から、いきなり超スローなボブ・ディラン作
「ティアーズ・オブ・レイジ」⇒「怒りの涙」なんだから、さぞかし驚いたと思われる。
しかもこれは、彼らのデビューアルバムであって、普通、デビューアルバムの1曲目なら
もっとノリの良い曲を持ってきてもいいのだけれど、しかし、これがザ・バンドのザ・
バンドたる所なのである。
ジャケットはボブ・ディランが彼らを描いたもの。すでに有名な話だけれど、彼らは
ボブ・ディランのバック・バンドを勤めていた。しかし、ディランががフォーク・ロック
からエレクトリック化を図って、ライヴでブーイングを浴びるようになって、それが苦痛
になって、自分たちのバンドとして、再出発することにした。
そのデビューアルバムがこれである。
当時、崩壊寸前のビートルズが「ゲット・バック・セッション」を実施して、原点に戻ろう
としたのは、このアルバムの影響が大きいと思われる。それくらい、当時は衝撃的なアルバ
ムとして発表された。
で、aikoとどう関係あるのかと言うと、この「夢の中のまっすぐな道」の1曲目、「青い光」
を聴くと、いつもこのザ・バンドのファーストを思い出してしまう。
このアルバムがでた2004年というと、aikoの全盛期、一番脂が乗っていた時期であって、
そんな歌手が出すアルバムのオープニングナンバーとしては、非常に地味であって、最初に
聴いたときはびっくりしてしまった。
aikoという人は、こういう所も只者ではないのである。
ただ詞を作って、曲を作って、歌を歌って、ライヴをやって、レコーディングをして、CD
を出して、というそのへんの歌手とは違うのであって、それが、今回のベストアルバムの
選曲にしても、このアルバムのスタートにも現れている。
しっかり、アルバムの起承転結も自分で考えてるのである。
あまり、語られてないけど、アルバムのプロデューサー、殆どがaikoが務めてます。
ザ・バンドのアルバムもそうだけれど、aikoも殆どの楽器が生のままで、歌声にも殆ど
エフェクター類はかかっていない。殆ど「生声」である。
歌が上手い、とはこういう人の事をいうのですね。
今日はザ・バンドとaikoを強引に語ってみました(笑)
↓SACDハイブリッド盤のCDなので、ジャケットはセカンド・エディション
↓CD盤面
by hirowilbury
| 2011-03-07 18:01
| 音楽